「雑草雑学写真館」

私たちの身の回りに、普通に見られる草花。
雑草という言葉とは裏腹に、どこか美しさを秘めたものが多い。
世界でも珍しい四季がはっきりした日本だからこそ、
さまざまな植物がその季節を知らせてくれるものなのです。
この写真館では、そんな雑草の雑学的能書きも含めて紹介して行きたいと考えております。

其の一 今が旬・・・「ドクダミ」
(2003年6月12日)

           Photo by FOCA sports/Neoplar 45mm

まず初回は、雑草の中の雑草?誰も知ってるはずのドクダミです。なんといってもその特徴は、匂い。生臭さと青臭さが入り混じったような独特の匂いで、この匂いを好きだという人はまずいないでしょう。湿っぽい日陰や、半日陰に生えやすい雑草なのですが、地下に白い地下茎を伸ばし、縦横に張り巡らし、そこからたくさんの芽を出したちまちにして群生してしまうようなのです。だからして、退治するのも極めて厄介で、少しでも地下茎が残れば、すぐにまた芽を出してくるのです。う〜ん・・・これぞ雑草!始末の悪いものではありますが、初夏(ちょうど今頃です。)に咲くその花は意外と清楚で美しいものなのです。写真のとおり遠目に見ればイチゴの花のような感じでしょうか。

さて、ドクダミという名前の由来ですが、素直にその名から連想すると、この植物は毒草じゃないかと思ってしまうが、それはまったく逆で、「毒止め」あるいは「毒矯め」(ドクダメ)に由来するといわれてるのです。そう、つまり一種の薬草として薬効があるというありがたい植物なのです。あの独特の臭気の元になる“デカノイルアセトアルデヒド”という長ったらしい名の成分が、殺菌作用のある成分で、化膿を防いだりするとのことなのです。また、乾かした葉を煎じて飲めば、利尿、便通などに効果があるほか動脈硬化の予防にもなるとも云われ、もちろんのこと副作用もないので一部で脚光を浴びているとのことなのです。スバラシイ・・・。

実際に薬局薬店などに行けば、乾燥したものをティーバッグ(パンツじゃないよ!)に入れて売っていたりするのですが、ちょうど今の花が咲く頃が採取時とのことらしく、陰干しし保存し、毎日煎じて飲むといいらしいのです。「あんな臭いものを・・・。」と思われるでしょうが、干して煎じたものは、全く臭みがなくなってしまうそうで、美味しくはなくとも、結構いけるそうです。試してみますか?