ちょっとだけ為になるお話。
(SFN11月号掲載分)


これまで、一般的なカヤックテクニック(乗り降りのし方や基本的なパドリング)しかお伝えしてきませんでしたが、今回は具体的に釣りをするうえで、ちょっとだけ為になる?お話をしようかと思います。

ココまでお話してきた中で、既にある程度はご理解いただいてるとは思いますが、我々釣り人はパドリングのみのカヤッキングを楽しむ訳ではなく、パドリングを楽しみながら且つ釣りも楽しむわけで、それなりの作法を心得ていなければいけません。つまり、分かりやすく言うなら、パドリングしている時は両手が塞がっており釣りが出来ませんし、釣りをしている時は逆にパドリングが出来ませんので、一連の動作にはちょっとしたコツが要るのです。確かに、それだけを聞くとかなり不自由そうに感じるでしょうが、それら一連の動作が一通り理解できてしまえば意外と快適に釣りにも集中できるようになるでしょう。


まず、パドリングしている時はロッドをどこに置いて、どういった状態にしておけば良いのか?一番効率的なのか?自分なりにもいろいろと試してみました。ロッド位置は悩むことなく決まりますし、これ以外には考えられないでしょう。そう、シートの上、股の間にグリップエンドを置き、ロッドティップを前方に向けておく以外考えられないでしょう。(→写真参照)問題は、ルアーをどういった状態にしておけば良いか?です。当初は、竿先にルアーをぶら下げる状態にしてパドリングをしておりましたが、そうすると艇が揺れるたびにルアーがロッドに絡まってしまい都合が良くありませんでした。いざキャストしようとするとルアーがロッドに絡んでいて、そのたびに手直しをしなくてはいけません・・・。はっきり言ってこれはかなり面倒です。では、どうしたら良いか?自分なりの結論としては、コックピット外側(一段凹んでいますのでそこにルアーが置けます)にルアーを置くのがベストのように感じます。これだと、艇が大きく揺れたとしてもルアーがロッドに絡むようなトラブルにはなりません。そして、キャスト時にはロッドティップまで速やかにルアーを巻いてキャスト動作に移るようにすればいいのです。分かるでしょうか?もちろん、そういった動作も人それぞれですし、使用するタックルも色々ですから、自分に合った方法を見つければそれで良いのですが、一応、参考になればと思い紹介させて頂きました。

前回も使った自慢写真ですが、その写真を利用して説明しましょう。
ご覧の通りグリップエンド部分を股の間に挟むようにし、ロッドティップが前になるように置きます。
で、ロッドティップから伸びているラインが分かるでしょうか?
その先の場所、コックピット向こう側の凹み部分にルアーを置いてます。
分かりますでしょうか?これが自分のポジションです。

次にパドルの扱いについてです。これもおのずと置き場所は決まってきます。自分が座っているお腹の前、コックピットを左右に渡す様に置く以外は考えられないでしょう。つまりそれがいたって自然な流れでパドルを置ける場所であり、キャスティングからパドリング、パドリングからキャスティング、と切り替えるのにも実に好都合なのです。しかしです。そこで唯一気になるのが、パドルを艇に置く時の音です。固いもの同士がぶつかる訳ですから、どうしてもゴトッ!と、そこそこ大きな音が出てしまいます。まあ、実際のところそういった音が、どれほど魚に影響を与えるのか定かではありませんが、静かになるならそれに越したことはありません。そこで、写真のような工夫をしてみました。(→写真参照)コックピットエッジのパドルが置かれるであろう部分にフォームラバーのテープを貼り付けるのです。誰にでも出来る至って簡単なことですが、より静かに釣りをするにはまさに効果的なチューニングと言えましょう。どうせ、静かに静かにスイスイとパドリングしているんですから、これくらいの事はして、さらに静かにノープレッシャーを演出してみてはどうでしょうか!とにかくこれはオススメです。

誰でもすぐに出来る簡単チューンです。
両面テープ付きのフォームラバーを、パドルを置くであろう箇所に貼るだけです。
コレだけのことで、より静かに釣りが楽しめるようになります。
まさにノープレッシャー!オススメです。

以上、今回は2点のみ紹介するにとどまりましたが、今後もコレは!と言う為になる話がありましたらどんどん取り上げて行きたいと思います。