艇への乗り降りに関して。
(SFN6月号掲載分)


さあ、今回からいよいよフィールドでの実戦的な話を交えてご説明させて頂きましょう。まず最初に、誰もが不安を抱く艇への乗り降りに関して一からお話させて頂きます。ちなみに、今回は4/17より小田原にトップ系のショップ「バップス」をオープンした津田君に初心者モデルとなって頂き、冬の印旛で実践してきました。

アルミボートでも、普通のカヌーでも、フローターでもそう。とにかく落水トラブルの危険が最も多いのはやはり艇への乗り降りの時であることに間違いありません。そりゃそうです。安定した大地で、二足歩行&高重心で生活している我々ヒトにとって、不安定な場所に乗り移る、まさにその時は危険な瞬間であることは誰にも想像し易いことでしょう。それが小さなカヤックともなればそれはなおさらです。さすがにポンっと乗るわけには行きませんね。そこで、まずは大きく三つのポイントを!紹介します。

1、入水に適した場所から。

2、常に重心を低く保ち。

3、アシスト役が居ればなお良し。

以上の3点となります。

@     まず入水場所の選定は極めて重要です。足場が悪かったり、極端に高かったりすると乗り降りは非常に困難ですし、かつ急深な場所は危険を伴います。なので、できる限りイージーに乗り降りできる場所を探すことが先決です。要は、なだらかな駆け上がり状になっている場所か、もしくは10〜20センチくらいの高さの岸辺を探せばいいのです。(今回は水面から高さ約10センチくらいのチョットした護岸箇所を利用しました。)

一番乗艇しやすいのは、やはりなだらかな駆け上がり。
そういった場所がなければ、このような低い護岸からもスムーズに乗り降りできます。

A    一番重要なのがコレ!とにかく乗り降りの動作は慎重に、かつ重心を低く保つことがポイントです。日常生活の重心では高すぎるのです。一連の流れは写真をご覧いただければ分かるかと思いますが、まずは写真のようにパドルのシャフトを艇のコックピットに渡し、かつシャフトと艇の接点をしっかりと握り固定します。さらに、陸側に突き出したパドルを地面につけて安定させるのです。そこで、低い姿勢を保ったまま、まずは片足を入れ→腰→両足→座るという流れる動作で乗り込めばいいのです。また、その時はどちらかといえば陸側に重心を置くこと・・・コレも重要です。陸側にはパドルのつっかえ棒がありますからいいのですが、逆側の水面側には何もありませんからそっちにはクルッといってしまいます。分かりますよね?危険です。まあ、一旦座ってしまえばある程度安定した物ですから問題はないでしょう。ご覧の通り、カヤック初体験の津田君も無事に乗艇することが出来ました。

パドルを渡してある陸側に体重をかけることが重要です。
逆側にはつっかえ棒がありませんので簡単にクルッと行ってしまいますよ!


乗り込み完了です。

にっこり・・・。

B     また、以上の動作も、もう一人のアシスト役がいればグンと楽になります。居ると居ないとでは雲泥の差ですね・・・。もちろん油断は禁物ですが、よりイージーに乗り降りできることに間違いありません。ということで、初乗艇の際には無理せず誰かの手助けを受けることをオススメします。単純に岸から艇を引っ張るように支えてもらうだけでOKです。

とにかくこの基本姿勢を忘れずに!
パドルを陸側に渡し、低い姿勢で乗り込む!コレです。

以上、艇への乗り降りのコツと注意事項をお話させて頂きましたが、なんとなくイメージが出来たでしょうか?実際に私自身も、最初の一回目の時は正直戸惑いましたが、二回目以降は何の問題も無くスムーズに乗り降りできるようになりました。とにかく経験値が物を言う世界でしょう。さあ、あとはフィールドに漕ぎ出すばかりです。次回はいよいよ実釣編に入ります。お楽しみに。


(追記:2006,9,10)
艇への乗り降りに関して、その後いろいろな艇でいろいろなロケーションで経験を積んだ結果、、、
なだらかなシャローエリアでの入水が可能であれば、、、
お尻から座ってしまう方法のほうが初心者には簡単だと言うことが分かってました。

もちろんそれぞれの艇によって、その艇の側面の高さが違って、やり易い艇そうでない艇といろいろありますが、
この方法をオススメします。

写真で説明すると↓の通りとなります。
コレはどんな場合も一緒ですが、姿勢を低くしてさっとお尻を入れます。

そのときの注意点は、、、
とにかく頭の重心を前に!と言うことです。
後ろにいったらひっくり返ります。
前には足が出てますからそっちに重心が来るように心がけてください。

あとは、余裕かまして、靴の泥をきれいにしてから足を艇の中に入れればいいだけです。
見てください!靴の裏も綺麗でしょ?

この方法の方が艇の中も汚れなくて一石二鳥なんですな〜。
ご参考までに・・・。