“エアフレーム1”インプレッション
(SFN2006年掲載分加筆修正)


BPオリジナルカヤックのベースモデルとなるインフレータブル式カヤック「エアフレーム1」について、今回は簡単にインプレッション報告をさせていただきましょう。


さて、付属のこじんまりとしたバッグに入ったカヤックですが、その重量は以外と重く約16キロと言うしっかりとした物になります。もちろん、もっと軽くて安い華奢なインフレータブル式のカヤックもありますが、ハードタイプのそれとたった2キロほどしか違わないが故に安心感もあります。やはり安全面を考慮すると、しっかりとしたものをオススメしたいですね。ちなみに、艇の底の部分はゴムボートと同じ丈夫な素材が使用されています。

さあ!空気を入れてみましょう!!

まづは、バッグから艇を出し、ド〜ンと広げ、付属のダブルアクションポンプで空気入れを開始します。

最初に、大きな弁が二箇所あり、二回に分けて本体を膨らませると3〜4分程度でおおまかなボディー形状が自然と出来上がります。その後床面のマットに別途空気を入れ、フロントデッキのエッジ部分に空気を入れ、最後にコックピットエッジを立てるのにもう一箇所空気を入れれば全て完了となります。その間の合計所要時間は約5〜6分。さほど気になる長さではないでしょう。もちろんハードタイプ(ポリ艇)のお気軽さと比べてしまえばやはり手間ですが、許容範囲と言えるのではないでしょうか。出発前と帰宅後の手間がない事を考えればむしろ楽ちんかも・・・。

あとはいつも通りタックルを積み込み、水辺に向かうのみです。

次に、問題の乗艇&入水です。ハードタイプのカヤックと違い、コックピットエッジが柔らかく、従来の乗艇方法だと支えがきかなくて、いつもと勝手が違います・・・。さてどうしようか??で、いろいろ試した結果、下の写真のようにお尻から入ってしまう方法が一番安全でやり易いようです。

コックピットエッジが柔らかくかつ低いので、何の違和感もなく横からシートに座れてしまうのです。あとは外に投げ出されたままになってる足をコックピット内に入れるだけで乗艇完了です。

艇が違えば作法もちがってくる訳ですな〜。もちろんリジット艇でも同じように乗艇できますが感覚は全く違います。勉強になりました。さて、乗った感じはと言いますと、コレがまた実に快適です。ハードタイプと比べて座面が柔らかく座り心地は極めて良好です。ただし、10センチほど空気層が艇内にせり出してくるカタチになってますので、若干コックピット内は狭い感じになります。という事で、体重80キロを超えるくらいの大柄なヒトには手狭に感じるかもしれませんね・・・・。(ただし、最大積載量は135キロなのでスペック的にはなんら問題はありません。)

続いて実釣です。まず最初に結論から言いますと、何の問題もありませんでした。いつも通り、何も変わりなく釣りを楽しむことが出来ます。取り回しも変わりなく、心配していたスピードダウンもほとんどありませんでした。むしろ艇が柔らかいので、パドルを置く時などの異音もいっさい出ませんから、より静かにポイントにアプローチできるのではないでしょうか。まさにステルス戦闘機ですな・・・・。
↓ご覧のとおりハードタイプを含む3艇を並べた写真をご覧頂いても遜色ないでしょ?

という事で、総合的に判断してもコレはありです。おおいに有りです。置き場所に問題のある方。車載に問題のある方。フローターゲームの延長で検討中の方。皆さんにオススメします。

最後に、敢えて弱点を一つ言うならば、釣りとは直接関係ないですが、後片付けがちょっと面倒なのは否めません。空気を抜くところまでは一瞬で済んでしまうのですが、そこからきれいに畳んで、付属のバッグにしっかりと仕舞うのが大変なんです。しかし、自分の場合はジッパーを締め切るところまではせずに大雑把に畳んで家に持ち帰り、翌日ある程度乾かしてから、落ち着いてしっかりと畳み、バッグに仕舞うようにしております。そこまでなら2〜3分ですからむしろカートップするよりも時間がかかりません。まあ、たいした問題じゃないですが、ご参考までに・・・。