ラインにまつわるお話。
(SFN11月号掲載分)

ラインにまつわるお話。

前回は大切な大切なフックにまつわるお話をしましたが、今回はそのフック(ルアー)とアングラーを結ぶラインに関するお話です。これも釣りという行為の中で、とても重要なパーツである事に異論は無いでしょう。古くは馬の尻尾などの動物の毛や、絹のラインを使っていたとか聞きますが、もちろんのことそんなラインは使ったことも無く、また実際に使えるものでも無いでしょう。いくらなんでも使う気にはなりません。小さな頃から釣りをしている自分ではありますが、いわゆるナイロン製のラインがイコール釣り糸なんだと何の疑問も無くずっ〜と使っていたのですが、今では大きく分けてそのほかにフロロラインやPEラインが存在し、場面に応じて使い分けております。


オールド物のラインももちろん入手できるが、やはり信頼性に欠ける上沈んでしまうものがほとんど・・・。
となるとやはり、現行のPEラインを使うことをオススメする。
ただし注意しなければいけないのがその強度!タックルを傷めてしまう危険ありです。
十分気を付けてください。

さて、クラッシックタックル、とりわけダイレクトリールにはどんなラインが適当なのか?と言う事になりますが、当時ダイレクトリールに使われていたダクロン製のライン(今とは素材のちがうPEラインとお考えください。)は、さすがに年代物しかなく信頼性に乏しく使えませんので、おのずと雰囲気の似通った太目のPEラインという事になってしまいます。となると40〜60ポンドの強度になる訳で、まさにオーバースペック!普通のバスフィッシングをしている人には「エッ〜!」と驚かれます。確かに、単純にブラックバスを釣り上げるのにそんな強度はもちろん必要ありませんからね・・・驚くのも納得です。でもしょうがない。見たくれ勝負のトップウォータゲーム・・・しょせん理由はそんなもんでいいんです。ただし、気をつけなきゃいけないのが、そんな強度にタックルがついて行かないという点です。そりゃ50ポンド60ポンドのラインと言えば約20〜30キロのテンションにも耐えるだけの強度がありますから、力任せに使えば、ロッドも折れれば(ガイドが吹っ飛んだりもします)、リールも壊れます(シャフトが曲がることは当たり前)。そりゃしょうがない。その点だけは各々が十分に配慮し対応しなくてはいけませんね。無理やり使った場合の代償は高くつきますよ!お気に入りのクラッシックタックルはすぐにまた手に入るとも限りませんから。心して使ってくださいね。


オールドのダイレクトはもちろん、リボルバーでも同じ事・・・。
やはり無理をすれば壊れます。
ただ、修理が効くのが大きな違いです。

ではここでPEラインを使うに当たっての注意事項を簡単に説明させていただきます。まず第一に結び方について。とにかくすべりの良いPEラインは、ユニノットに代表されるコブを作る系のノットでないと簡単に抜けてしまうのです。まさに基本中の基本ですが、それを知らずに切れた切れたと言っている人はまだまだ居るようですね。あと、もう一点。リールにラインを巻く際にも注意が必要です。ほとんど伸びない素材のPEラインはナイロンラインのように軽くテンションをかけて巻き込むだけではスプールに馴染まず、ふわふわの状態になってしまうのです。コレじゃあ上のラインが下のほうにめり込んでしまい釣りになりません。ではどうしたらいいのか?出来れば誰かに濡れタオルか何かでしっかりと持ってもらい、テンションをしっかりとかけた状態で巻き込めばいいのです。また、滑りのいいスプールでのラインの空転を避ける為に、少なくともナイロンラインで下巻きをする事もお勧めします。


やっぱナイロンラインは雰囲気じゃないんですよね・・・。
あまりに強いPEラインですが、付き合い方を間違えなければ強い味方となります。
ご理解の程を!

最後に、一番良く聞かれる質問なのですが、「PEラインを使うと古いガイドは削れてしまうときくが、実際のところはどうなんでしょう?」と・・・。もちろん厳密に言えば削れます。PEラインはそれほどまでに強いんです。でも、現実的にそのタックルで年間に何回釣行に行くのか?と言う問題になってくると思いますが、そんなに使用頻度が高くなければ気にすることは無いでしょう。多分生きているうちは大丈夫だとおもいます。また、太目のPEを使うことにより接点が分散し、細めのそれを使うよりかはダメージも少なくなるのです。部分的に削れると言うより、ガイドの内側全体が研磨されるような状態になっていく事がほとんどですからご安心を。とにかく以上のようなことを、知ってて使うのと知らずに使うのでは意味が違いますので、覚えておいて損は無いでしょう。