(SFN10月号掲載分)
ここまで、6回にわたりクラッシックタックルの大まかな話とその魅力を紹介してきましたが、今回からは、ピンポイントの具体的なお話をさせていただくことにしましょう。まずは魚とのコンタクトポイントであり、とても重要なパーツであるフックにまつわるお話です。
しかしこのフックというのは、それこそ車のワイパーと同じで、ここ一世紀以上も大きな進化をしていないパーツであり、それほどまでにある意味では完成されたカタチの物であると考えてよいでしょう。もし仮に、このフックに変わる何か?私には想像もつきませんが、それを考えたとしたら、それこそ大発明になるのではないでしょうか。事実、漁業を営んでいる漁師さんの仕掛けでさえ同じような形状のフックが使われているのが現実なんですから・・・。とはいえ、そんな流れの中でも細かな進化はもちろん有り、現在生産されているフックは化学研磨が施され、オールドのそれとは比べようも無いくらい鋭いフックポイントになっております。それはもうトントンに尖ってて危ないくらいです。じゃあ、オールドルアーのフックもいまどきのフックに変えればいいじゃないの?とお考えの方もいるかと思いますが、これがそうは行かないのです。一言で行ってしまえば「似合わない」ということになってしまうのですが、何年何十年も長い歴史の中で生き残り、なんともいえない経年変化を遂げたルアーの雰囲気には、いまどきのつるつるピカピカのフックはやはり似つかわしくないのです。受け付けないのです。となるとやはり、そのルアーに付いているフックをそのまま使うのが一番ということになるでしょう。幸い、これらのフックに使われている鉄の質そのものは、昔のほうが良質のものを使っていたようで、ちゃんと研いで使えば今でも十分に使える状態になるのです。とにかく、オールドルアーを実際に使用する際には必ずフックを研いでください。これ・・・基本中の基本です。
フックのカタチも確かにいろいろありますが、基本的なところは皆同じ!
このカタチに次ぐ画期的な釣り針は今後出てくるんでしょうか・・・?
それを考えたとしたら、まさに大発明だと思いますよ。ハイ。
さて、そこで一つ提案です。針を研ぐついでにやっていただきたい事があるのです。それは何か?もちろん全てのルアー、全てのフックに当てはまるということではありませんが、やたらと古いフックのカエシ(バーブ)は大きく反りかえり出っ張っており、実はこれがフッキングに対してかなりのマイナスになってしまっているのです。いくらフックポイントをしっかり研いだとしても、大きく反り返ったカエシをバスの堅い口に貫通させるにはかなりの力を要するわけです。大きなバスになれば、それはなおさらです。これ本当!なんなら試しに、ボロ布や皮などに擬似フッキングしてみればいいでしょう。カエシ部分で引っかかり、なかなかゲイブの奥まで貫通しないものです。もちろんバスの口でも同じことが起こっている訳で、大きなフックになればなるほどその傾向は強くなるのです。これはオールドルアーに限らず現行品のルアーにも言える事で、とりわけ大きなフックを使っている大型トップウォータープラグだとなおさらなのです。そこで私がオススメするのが“半バーブ”。その名のとおり、バーブを半潰しにする事によって、少しでもその抵抗を減らし、カエシの効果を最低限に抑えるというものなのです。そうすれば、フックを交換することなく、オールド物の良い雰囲気はそのままに、フッキング率をアップさせることが出来るのです。ただし、注意しなしとバーブがぽきんっ・・・と折れてしまうことがありますので、その点だけは注意してください。ほんとうに些細なことなのですが、これだけのことでかなり変わってくるものです。ぜひお試しください。どれだけ潰せばいいのか?それは各々の判断になりますが、写真を参考にしていただければと思います。バーブの反り具合にあわせて、臨機応変にやっていただきたいものです。
写真ではちょっと分かりづらいかもしれませんが、コレ、バーブが半潰しになっております。
ちょっとした事ですが、フッキングロスを軽減し効果は絶大です。
(少なくとも自分はそう信じてます。)
BPダブルフック発売!
あと、余談になりますが、近々(9月中には発売できるでしょう・・・決定!)BPベイトよりダブルフックを発売する予定があります。オールド物、現行品に限らず、トリプルフックをダブルフックに変えて使う方が多いと思いますが、コレ!という#1/0、#2/0サイズのダブルフックがなかったのが現実で、しかたなくマスタッドなどの洋物を使っていたヒトが多かった事でしょう。でももうこれで悩むことはありません。良い物を作ります。今回紹介したような自分の考えを反映した、バーブの小さい化研のダブルフックになります。9月〜10月の秋口に、#1/0と#2/0の2サイズで発売となります。コチラもお楽しみに!
写真の上側がマスタッドのWフック。下側がBPダブルフック。
みてのとおり形状はかなり似通っております。
違いはなんといってもバーブの大きさ!半分くらいのボリュームになっているのではないでしょうか。
もちろん針先も科研でトントンです。
(BPダブルフックはプロト品に付きメッキがかかっておりません。本製品はニッケルメッキがかかります。)