「メカを楽しむ」
(=メンテナンスする楽しみ。)
(SFN7月号掲載分)

さて、今回はクラッシックタックルと付き合ううえでは避けては通れないメンテナンスについてのお話です。機械音痴の方はメンテナンス・・・といった瞬間に拒絶反応を起こし、手も付けられないという方もいらっしゃるのでしょうが、クラッシックタックル、とりわけダイレクトリールに関してはそういった苦手意識を取り払って接していただければ結構です。実にシンプル!単純かつ明快なその機構は、小学生レベルの脳みそをもってしても理解できるレベルなのです。安心してください。それでも尚どうしても不安だという方は、分解する際に細心の注意を払いながら、パーツを順番に並べていけば良いだけの事で、意外と機械音痴の人に限ってそういった手順を踏まないで痛い目にあっているんですね。


見てください!実にシンプルなこの造り。これでも分からないと言うなら小学校から行きなおして下し。

ハイテクタックルにはない楽しみ。

一方で、いまどきのハイテクタックルはそういった作業をほとんど必要とせず、極端に言えば買って来たらそのまま使い、メンテナンスフリーで壊れるまで使用する・・・そんなスタンスで道具と付き合っていけばいいのです。でもコレって味気ないと思いません?道具に対する愛情というかなんと言うか、信頼関係というのが欠損してしまってるように思うのは自分だけでしょうか?実際にいまどきのハイテクタックルは分解する事を拒むような造りにもなっており、リール分解になれた自分でも理解不能、分解しようという気にもなりません。せいぜい簡単に汚れを取り注油するくらいのもので、コレじゃ愛着というものが沸いてきません。それに対し、クラッシックタックルは我々の接し方に応じて、相応の答えを出してくれるものなんです。しっかりとメンテナンスしていれば極めてスムーズに回転しユーザーを満足させ、メンテナンスを怠れば突如として回転が落ち、場合によってはケタタマシイ音を立てユーザーにサインを出すのです。「ちゃんと油をさしてくれ〜!」と・・・。そうやって出来上がった道具との信頼関係は実にかけがえのないものです。愛を注いで接してきたタックルで釣り上げた一本は、皆が忘れかけてる感情を呼び戻してくれるのではないでしょうか。私はそう信じます。


ちなみにこれがリボルバーの取り説。これですべてが理解できるはずです・・・。

ネジにまつわる注意事項

メンテナンス、分解する上で十分に注意していただきたいのが、ネジ・ナット類の締め加減です。緩すぎても、締めすぎてもダメ、その加減を早く見極めていただきたいものです。慣れるまでは、パーツを落としてしまったり、ネジ類をねじ切ってしまったりと、いろんなトラブルに見舞われることでしょうが、まあコレはしょうがない・・・子供がチャリンコに乗り始めるときのようにコケコケ覚えていくように、段々と感覚を身につけていくしかないのです。特に古いものに関してはパーツは限りある資源であり、運が悪ければ再起不能ということにもなりかねません。十分に注意していただきたいものです。どうしても心配な方は、レンチやドライバーを持参する事をオススメします。はっきり言って宣伝になってしまいますが、BPベイトでは、そんな皆さんの声に答え、写真のようなキーホルダーレンチも作りました。マイナスドライバー、アブ・ラングレー・シェイクスピア・フルーガなどの主要なナットに対応した便利ツールですので、車の鍵などと一緒にスマートに携帯するのもいいかもしれませんね。


BPキーホルダーレンチ。こうやって常に携帯してると何かと便利です。
結構いろんな場面で役立ちますよ!

いらっしゃい!!