クラッシックタックルで楽しむ「スローフィッシング」
(SFN10月号掲載分)

今回はタックルの話からちょっとだけそれて、釣りとの接し方、釣りのスタイルについてのお話をさせて頂きましょう。

思いおこせば、初めて釣りをしたのは父に連れて行ってもらったフナ釣り。小学校の一年生の頃だったでしょうか・・・。そこから始まった釣りとの付き合いもかれこれ30年以上経とうとしている訳ですが、その時その時で釣りとの接し方が変わってきたことを今になって実感する事が出来ます。それこそ小学生の高学年の頃は、学校から帰りランドセルを家に放り投げ、代わりに竿を手に近所の川へ行ったものです。懐かしいですね〜。(あの頃の釣り仲間“向川シゲル”は今頃何処で何をしているんだろうか・・・?)中学生になると、岐阜の田舎にもフライフィッシングのプロショップが出来、一時的にフライの方にどっぷりとはまりました。ちなみに、#5のダブルテーパーラインをバッキングまで出すほどの腕前だったんですよ。高校に入ると周りの大人にフィールドに連れて行ってもらい、初めてまともにブラックバス釣りと接しました。アブリールが欲しくても、高価で買えない・・・そんな時代でしたね。大学に入った頃は、水産学部という特別な環境にいながら全く釣りはしておりませんでした。だって他の遊びが面白かったから・・・。そして社会人になり「私をスキーに連れてって」ブームに乗っかりスキーにハマった時期もありましたが、ふとしたキッカケでまたバス釣りをするようになり、そこからはまさにどっぷりと深みにハマっていってしまったのです。あの時買えなかったアブリールも買えるし、バスはそこいらにいっぱい居るし・・・まさに天国!休みの度に早起きをし、いや、寝ずに釣りに行ったものです。その頃の千葉の野池は凄かった・・・片っ端から行き倒しました。その後お店を開けたのが32歳の時だったのですが、やはりその時も熱かった。定休日も無く営業していたので、お店が終わったらそのまま釣りに行き、オープン時間には帰ってきて店を開けていたものです。いや〜若かった、眠い目をこすりながら接客していた事を思い出します。そんな自分も、とうとう40歳に手が届こうとしている年代になってしまったのです。さすがにあの頃のようには釣りに行けませんね。体がもちません。しかしです。釣りをしない訳にはいかない体である事には間違いなく、今の「スローフィッシング」スタイルになったのです。なにがスローか?って、釣り方ももちろんガツガツせずのんびりというのは間違いありませんが、スタートもゆっくりのスロースタートなのです。いつもどおりゆっくり起床し、しっかりと朝食をとり、のんびりとフィールドに出向き、夕方のプライムタイムを含む3〜4時間をマッタリと、かつ集中し釣りを楽しんでいるのです。コレだと実に体が楽チンなんです。帰りの車中も眠くなることはほとんどありません。なんなら帰宅してから家族で食事に出かけたり、映画を見たり、実に有意義な一日を過ごすことが出来るのです。要するに歳相応の釣りというのがあり、30を過ぎて、寂しくも中年を自覚し始めたヒトはガツガツせずのんびり釣りと接する事をオススメします。で、結果の方はどうなの?と思うでしょ。確かに何本も釣れることは少ないですが、一日一本、三日で三本、たまに日が良いと2〜3本・・・。自分にとっては十分の結果が出ております。今年も50アップこそ出ておりませんが、ご覧の写真の通り40後半のナイスなバスはしっかりとキャッチしておりますよ!

さあ、下半身のたるんだ肉が気になるアナタ!そんなアナタも、そろそろ「スローフィッシング」にシフトした方がいいんじゃないですか?!体に余裕があると釣りにも余裕が出来、また違う楽しみ方が見えてくることでしょう。のんびり行きましょ!

もちろん若者はガツガツと貪欲に釣りを楽しんでください。アシカラズ・・・。