スプール徹底比較!
(SFN10月号掲載分)

今回はダイレクトリールの回転性能を大きく左右するスプールに関して、色々な機種を比較しながらお話させていただくことにしましょう。

さて、スプールの重量がそれほどまでに回転性能に影響を与えるのか?と言いますと、もちろんそればかりではないですが、回りだしの軽さ(使い易さ)という面だけを取り上げてみれば間違いなく中心的なファクターと言えるでしょう。ちょっと大げさなたとえですが、同じ大きさの球、ボーリングの球とドッジボールの球では投げ方が違うのと同じように、軽いスプールのリールならドッジボール同様「ピュッ」と投げられますが、重いスプールのリールだとボーリングの球のように「ヨイショッ」と投げる事になるのです。分かりますかね?(言葉で表現するって難しいですね。)まあ、要するに投げ方を心得ていれば、重かろうが軽かろうが投げられるんですけどね・・・。

では、ココで何機種かを取り上げて、スプール重量を測り、比較していきたいと思います。


まずはラングレー・ストリームライト。軽量スプールNo.1と言えば間違いなくコレでしょう。そのスプール重量は約19グラム。ほとんどのアルミスプール物が20グラム台の中、ラングレーのみが10グラム台をマークしているといって間違いなのではないでしょうか。コレまで色々なリールのいろいろなスプール重量を計測してきましたが、アルミスプールの平均的な重量は約25グラム前後といったところですから、そう考えるとどれだけラングレーのスプールが軽いかご理解いただけるでしょう。という事で、ラングレーのリールはまるで普通のフリースプールリールのように「ピュッ」と投げられるわけです。


さて、お次に我がリボルバー#514。リボルバーシリーズの中では最も軽いスプールの機種でして、その重量は約21グラムとなっております。まあ、一体成型タイプの削りだしスプールとなるとコレ位が限界点と言えるでしょう。つまり、ラングレー並みの軽快さがあり、かつボールベアリングが入った効果によりケタ違いの伸びが得られるのです。逆に言えば回りだしたら止まらない・・・・。よって最低限のサミングテクニックは要求されますのでアシカラズ。


お次は、シェイクスピアー#1962スペリアー。鉄スプールの中でも初期の物に分類される機種で、スプール重量は42グラムにもなります。ラングレーやリボルバーの倍以上の数値ですね。よって投げるときはどうしても「ヨイショッ」っと投げる事になります。コツが要りますね。ただし何度も言いますが、使えない訳ではありません。この「ヨイショッ」のリズムが合う人にとってはこれがベストかもしれないのです。キャストの感覚は人それぞれ・・・色々使ってみてベストの物を探すのも楽しいものです。ちなみに、鉄スプールの平均的な重量は30グラム台でして、スペリアーは特に重いスプールのモデルと言えるでしょう。


最後に、特殊なプラスチック・スプールがついたフルーガ・スキルキャスト。そのスプール重量は約28グラムでした。一体成型でコスト削減を狙ったのかどうかは定かではありませんが、この時代としては唯一のプラスチックスプールのモデルなのです。重量的にはいわゆる普通のアルミスプール並みの重量で、機能的にはさほど大きなメリットは無いといってよいでしょう。確かに見た目には特徴的ではありますが、ラインを巻いてしまえば分からなくなってしまいますから・・・微妙ですね。

以上、スプール比較でした。まあ、買うときにいちいち重量を測ることは出来ませんが、何かの足しにはなるでしょう。多分・・・。