名機サイクロイド完全解説!
(SFN9月号掲載分)



既にご存知の方も多い事でしょう・・・名機サイクロイド“マイクロマチック”。このリールに組み込まれた外部可変式遠心ブレーキは、まさに時代を半世紀以上先どった画期的な機構の上に成り立ているのです。今回はそんなサイクロイドの内部構造から仕組みまで余すところ無く紹介させていただきましょう。

さて、まずは外観。コレもかなり特徴的ですね。まず一般的なダイレクトリールと比べると一回り大きく存在感があり、ボディ外側にはネジを見せない気配りがあったりと、当時の開発者のこだわりを感じずにはいられません。発売時期により細かな仕様の違いはあるのですが、写真の通りサムバー位置が高く、その下にプレートが組み込まれ、モデル名やシリアルナンバーが打刻されているモデルが最も多く出回っているようです。その他、通称「デラックス」と呼ばれている、ブラックやレッドのモデルも少量ですが存在しております。一方、初期型といわれるものは、サムバー下のプレートが無く、さらにバーそのものの位置が低く出来ておりグリップにセットしたときの使用感はコチラの方が良好で人気も高く、さらには玉数が少なく入手困難となっております(ちなみに自分が個人的に使用しているのはこのタイプです)。


これがもっとも多く出回っている、一番普通のサイクロイドです。
このタイプなら比較的楽に入手できます。


ボディー左右にはダイヤル式の回転ノブが配され、左側がブレーキ調整ダイヤル、右側がクリック調整ダイヤルとなっており、ブレーキ(1〜10)、クリック(1〜5)の範囲でその“効き”を細かく外部からセレクトする事が出来るのです。これ等も実にシンプルにまとめられてますね(分解したときは、目盛りを合わせて組まないとずれたままになってしまいますので要注意です)。

パッと見でネジ類が外からは確認できない構造の中、ブレーキダイヤルとクリックダイヤルだけが目に止まります。
シンプルでよく考えられた構造ですね。


本題です。ではそのブレーキの内部構造はどういった構造になっているのか?この2枚の写真がその内部構造です。写真左がブレーキ0の状態で写真右がブレーキ10の状態となります。分かりますでしょうか?スプール軸にビルドオンされたハンマー状のブレーキパッドが、ダイヤルによって上下するプレートに干渉し遠心力によってブレーキが効くという仕組みなんです。よくもコレほどまでに理のかなった仕組みを考えたものです。脱帽です。で、気になるその効き具合はというと、もう、文句のつけようがありません。完璧です。かなりの初心者でもバックラッシュする事は無いでしょう。大げさな事を言わせてもらいますと、このリールばかり使っているとサミングが下手になってしまいます・・・。


写真では分かりずらいですかね・・・?
自分で手にして動かしてみるとその狙いがよ〜く分かります。マジで素晴らしいです。


ところで、このブレーキシステムどこかで見覚えがありませんか?そうです。リョービのイクシオーネに用いられているフライングアームブレーキとそっくりなのです(写真参照)。まあ、フライングアームブレーキの場合は、スプール側とボディー側にセパレートされたカタチで成り立っており、その見た目は違いますが、考え方はまさにサイクロイドのシステムそのものなのです。という事から考えると、つまりサイクロイドは約半世紀も先を行っていたといえる訳ですね。まさに、スーパーなダイレクトリールです。

これがリョービのイクシオーネの内部構造。
パッと見は全く別物のようですが、その基本概念はサイクロイドのまんまです。


自分もこんな画期的な仕組みをあみ出してみたいものですね。

また、何か面白いリールがあったらじっくりご紹介させていただきます。

では。