クラッシックタックルの選び方
(SFN2月号掲載分)

クラッシックタックルの選び方。


ほぼ同程度の同機種2台。
さてあなたはどっちをチョイスしますか?

 さあ、アナタはこの二台のリールのどちらを選びますか?機種はラングレーのルアーキャスト。一見するとほぼ同程度の二台で、どこを見てどう判断すれば良いのかなかなか難しいものです。やはりこの写真だけで判断するのは不可能でしょう。実際に手にとって、触って、見比べて判断するのが賢明なのではないでしょうか。では、リールの場合まず何からチェックすれば良いのかといいますと、とにかく不具合がないかどうかでしょう。今回の写真の二台の場合は、ラングレー特有のトラブル多発箇所ハンドルの固着が左側の個体に発生しており、もちろんその程度にもよりますが、復旧が困難であろう物は避けたほうが良いでしょう。そういった意味では右側個体の方に分があるわけですね。確かに、BPベイトからは既にラングレー用の救済パーツとしてスペアハンドルが発売されておりますが、やはりオリジナルに越したことはないのです。さて、次に回転性能を見極める事。これは意外と簡単でして、ハンドルを弾いてスプールを回転させ、変な動きがなければほぼ問題なしと考えていいでしょう。もちろんメンテナンス状態によって良く回ったり、そうでなかったりと、一つ一つまちまちなのですが、購入後しっかりとメンテナンスを施してあげれば、決まって見違えるように良好になるものです。その「変な挙動」とは何なのか?分かりやすく言うなら、回転の途中で引っかかるような動きが出るものであり、これは何らかの問題を抱えている場合が多いので避けたほうが良いのです。さあ、それでも判断できない!どっちも捨てがたい!と言う贅沢?な苦しみを味わってしまった場合アナタならどうしますか?もうこれは付属品で判断するしかないでしょう・・・。今回の二台の場合、右側のリールにはオプションパーツのパーミングカバーが付属しておりますので一歩リードと言う感じでしょうか。その他、箱付き、袋付き、パーツ付き・・・付属品が多くなればなるほど価格も比例してお高くなっていくのは当たり前!あとはご自身の財布の中身と相談・・・ということになるでしょう。

 さて、次はロッド選び!これもまずは不具合が有るか無いか、ざっと目を通すことをお忘れなく。特に不具合が多い箇所はガイド周りに集中しており、長年の使用と経年変化により、ガイドの建付けが悪くなり、グラグラになってしまっている物も多いのです。チェックするのは簡単で、指で軽く動かしてみれば一目瞭然です。ただし!間違っても力を入れすぎないように。グラグラ・・・バキィ・・・「いらっしゃい!!」・・・(T_T)。なんてことになら無いよう充分に気を付けてくださいね。


写真のように指の腹で軽く押さえてチェックしてみてください。
古いスレッドは思いのほか弱っておりますので力の入れすぎは厳禁!
十分に気を付けてくださいね。


でもって、同時にチェックしていただきたいのがガイドの削れ。いまどきの素材と違って当時のガイドは長年の使用でラインによって削れてしまう事があるのです。まあしかし、これもしっかりと見ればひと目で分かりますから難しいことではないでしょう。さらにもう一点注意しなければいけないのがブランクの傷です。ソリッドグラスの場合はそれほど神経質になる必要はありませんが、チューブラー素材のブランクの場合は、小さな傷が致命傷にならないとも限りません。ざっと目を通しチェックし、疑わしきは選ばず!これに尽きるでしょう。さてさて、ここまで来ても決められない、選べない・・・となったら、どういった観点で見れば良いのか?もうこれは、手持ちのリールとの組み合わせをイメージし判断するしかないでしょう。やはりそのロッドに似合うリール、そうで無いリールと言うのが有るでしょうから、見た目重視のこの世界!重要なことだと思います。また、長い目で見て判断するなら、グリップ脱着式で、さらに今どきのフェルールが装着可能な物を選ぶと、グリップ単体でも使えますので、いろんな意味でつぶしが利いて良いのではないでしょうか?一粒で二度美味しい!と言う事です。以上のようなことを視野に入れ総合的に判断すれば、間違いのないチョイスが出来るでしょう。


写真のようなグリップ脱着式のロッドは、後々を考えるとつぶしが利いて良いです。
さらに、今どきのフェルールが装着可能なら言う事なし!
グリップ単体で探すのは困難かもしれませんが、ロッドも含めて考えれば意外と良い物が見つかるかも・・・。

 最後に、実際に物を見て選べない!通販でしか買えない!と言う場合はどうしたらよいのか?と言う大問題もありますのでその点についてもお答えしましょう。確かに便利になったこのご時勢、メールで詳しい画像を送ってもらうのも手でしょうが、やはりそれだけでは現実的には不十分で限界があるでしょう。じゃあどうしたら良いのか?ズバリこれは“お店のヒトに任せる”のがいちばんの得策なのではないでしょうか。私自身もそうですが、見えない相手、通信販売だからこそベストな物を出したいのが正直な気持ちなんです。ですから、ある程度方向性というか、希望を伝え、あとは信頼のおける店主に任せるのが一番だと思います。もちろん最初は不安もあるでしょうが、そうやって出来た人間関係はその後にも繋がって行くものなのです。店を構えている店主にとって、そういった一人一人とのつながりは何よりもの財産ですから、とても重要なんですね。まあ、少なくともオークションなどで買うよりは安心だと思います。ヒトとヒトのつながり、大切にしていきたいですね。