第10回 ロッドにまつわるお話。
(SFN一月号掲載分)



ロッドにまつわるお話。

フック、ラインと具体的なお話をし、一回休みの小物話をはさみ、さてさて今回は大事な大事なロッドに関するお話です。ロッドというと間違いなく大きく釣りを左右する道具だと思いますが、これ程まで人によって好き嫌いが分かれる釣り道具も無いでしょう。一般的にクラッシックタックルのロッドというのはスローテーパーもしくはレギュラーテーパーのものが多いのですが、とは言え一つ一つの調子は皆違います。自分好みの一本を見つけ出すという作業はまさに大変なことなのでしょうが、コレも楽しみの一つの要素といえるのではないでしょうか。

さて、ではどんな竿から試してみようか・・・といっても、クラシックロッドには年代をさかのぼって行くにつれ、いろいろな素材のロッドが存在するのです。カーボン→チューブラーグラス→ソリッドグラス→スチール→バンブー→そしてそんなに知られて無いウッド。もちろんそれぞれに特徴があり、長所短所を兼ね備えております。それを簡単に表現すると、カーボン・・・軽くて高反発。チューブラーグラス・・・粘り強くしなやか。ソリッドグラス・・・重いが頑丈でトルクフル。スチィール・・・さらに重くトルクフル。バンブー・・・高価だが美しく意外と粘り強い。ウッド・・・使ったこと無いので分かりませんm(__)m。といった具合です。さらに、それぞれに最適な長さというのが存在します。カーボン/チューブラーグラスは6ft前後。ソリッドグラスは5ft前後。スチールは4〜5ft。バンブーは5.5〜6ftといった所でしょうか・・・。つまり違う素材のロッドを同じものさしで計る事は不可能なのです。一見すると4.5ftのスチールロッドと6ftのグラスロッドでは見た目的には全く別物で、華奢なスチールロッドが頼りなく、かつ物足りなく感じてしまうでしょうが、実は同等かそれ以上の働きをしてくれるものなのです。以外でしょ?その点勘違いをしないように・・・。


上から、カーボン、チューブラーグラス、ソリッドグラス、スチール、バンブー。
それぞれに特徴があり、長所短所があります。同じ物差しでは計れないわけですね。
その点勘違いの無いように・・・。

ただし、クラッシックロッドで一点だけ問題があるとすれば、それはいわゆる「抜け」の問題でしょう。この「抜け」。いわゆるロッドブランクを作る際に使われる接着剤の、経年変化と使用による剥がれが原因で起きるという事なのですが、いまどきのロッドに比べその傾向がはっきりと出てしまうようです。やはり当時使われていた接着剤等の問題があるのでしょう。名竿と言われてるような物でも「完全に抜けてしまっているもの」は実にだる〜いフィーリングになってしまいます。自分の場合もあのFC38をはじめて手にした時は・・・「なんてだるい竿なんだろう・・・全然良くないな・・・。」と思っていたのですが、あるときピンシャンのFC38に接する機会があり、その違いを痛感させられました。それはシャキッとしてて張りも有りまさに別物だったのです。という事は、意外と多くの人がそのロッド本来のポテンシャルを知らないまま使っていることも多いのです。まあ、その抜け具合が、当の本人にとってちょうど良かったりする場合もありますのでなんともいえませんが、その点ソリッドグラスやスチールロッドは、ブランクの作り方が根本的に違う為いわゆる「抜け」はありません。もちろん少なくとも金属疲労など物質そのもののヘタリはありますので、いつまでもパーフェクトということは無いでしょう。人間の骨だって疲労骨折するくらいですから・・・もうコレはいたし方の無いことでしょう。カタチあるものはいつか・・・ですから・・・。

そして、最後に重要なのがガイドの位置とその数。これでロッドの調子が大きく変わってきてしまうのです。大まかな目安としては“軽い材ほどガイドは多く、重い材は少なく”が基本になるでしょう。カーボンやチューブラーグラスのロッドではガイドを上手く配置し付けることにより調子を作り上げる役目もあるのですが、ソリッド・スチールなどは材そのものに重量があり、既に調子が出ているので、そこに必要以上のガイドを付けるとかえってだる〜い竿になってしまうのです。難しいですな〜。自分でロッドを作ったり、修理する時はその点に充分注意していただきたいものです。


多くのクラッシックロッドが貰い手を待ってお店に溢れてます。
古い物・・・という抵抗感はあるでしょうが、これが意外と安い物。
1万円台前半からロッドグリップ付であります。
試しに1本いかがですか?

いやはや・・・話し出したらキリが無い!ロッドにまつわるお話。その他詳しくは、また次の機会に!!では、自分好みの良いロッド!見つけてくださいね。幸運を祈ります。