(SFN4月号掲載分)
クラッシックタックルを楽しもう!
いまや身の回りのあらゆるものが便利になり使いやすいものになっている。確かに日常生活に密着した部分では、まさに大歓迎でそれに越した事は無い。いまさら、洗濯機が無かったら、湯沸かし器が無かったら、電子レンジが無かったら・・・ウ〜ン困ってしまう。どうなってしまうんだろか。しかし、こと趣味に関してはどうだろうか?私の場合ははっきり言って物足りなく感じてしまうのです。つまんない・・・。つまり便利になればなるほど楽しめる要素は減っていってしまう訳で、趣味という要素からはどんどんかけ離れていってしまうのではないでしょうか。そう、そこには非日常性が必要なのです。コレは釣りだけに限った事ではありません。世の中には趣味といわれるものは数々ありますが、どのジャンルにも当てはまる事だと思います。より一層その趣味を楽しみたいのであればクラッシックなスタイルを選ぶことが間違いない一つの方法だと思うのです。確かに個人的な片寄った意見だと感じる方もいるでしょう。しかし周りを見ていただければ分かります。クラッシックな音楽もあればモダン(モダンという言葉自体が古いか・・・。)なそれがあり、クラッシックカーもあればオートマのそれがあり、クラッシックカメラもあればオートフォーカスのそれがあるのです。幸いここ数年で、釣具タックルに関してもそういった概念が徐々にではありますが浸透してきているように思われ私個人的には嬉しいばかりです。ただし、これはオールドダイレクトリールに関してのみ言っている訳ではありません。確かに今まで自分はしつこいくらいにダイレクトダイレクトと言ってきましたが、広くは、アブリールや道楽リール、リボルバーなどの現行品も含むのです。
オールド物に抵抗があるなら、現行品クラッシックタックルから入ってみてはどうでしょうか?
「新しいものが良くて、古いものは駄目」。このような世の中の普通の思考を、チョット回転させてみると、その古い物の中にはなんとも言い難い魅力が詰まっているのです。なにも、ハイテクタックルを否定しているわけではありませんし、クラッシックタックルじゃなきゃいけないということではありません。クラッシックとハイテクは車の両輪のような存在なのです。事実我々はハイテクタックルによりあらゆるトラブルから解放され、ストレス無く釣りを出来るのです。しかし、もしそこに不満があるとしたら、それはきっと人間と機械との協調関係が乏しいからではないでしょうか。つまり『魚を釣る事』があまりにも自動化されてしまって、かつて人々が体験した「キャスティングする楽しみ」「サミングする楽しみ」「アクションする楽しみ」・・・が乏しいのです。なんだか近頃釣りが面白くないんだ・・・・というアナタ!そんなアナタにこそクラッシックタックルを試していただきたいのです。
私にとってクラッシックタックルというのは、
不便=使い倒し制圧する楽しみであり。
不便=悪いではないのです。
なんでもすべて上手くいくと楽しくないでしょ?
つまり失敗する楽しみというのもあるわけです。
さて、今回は最初ということで気合が入りすぎて、なんだか分からない話になってしまいましたが多少はご理解いただけましたでしょうか?なにしろ伝えたい事がいろいろありすぎて、あれもこれもと考えているとついつい小難しい話になってしまいました。スイマセン。とにかく自分のカッコいいと思ったタックルを使い、楽しめればいいのです。その感覚は十人十色で『そんないい加減なもの』なのです。釣れても釣れなくても関係なし。価値基準なんて無いのですから自分で決めればいいのです。
とにかく、そこには心地よい不自由さがあるのです。
次回からは、アイテムごと、場面ごとにその魅力を紹介していければと考えております。コレを読む事をキッカケに「クラッシックタックル」に興味を持っていただければ、こんなにうれしいことはありません。